一人目を授かった体でも、二人目が授からないことはあります。背景にあるのは年齢の変化だけではありません。一人目の妊娠と出産、そして毎日の育児で、鉄やタンパク質といった体の蓄えが減ったまま戻りきっていないことがあります。ここは食事と休養で手を打てる場所です。この記事では、一人目のときと何が変わったのかを整理して、育児をしながら続けられることをまとめます。
「一人目は自然だったのに」と思うのは、自然なことです
二人目不妊の相談で、最初にお伝えしていることがあります。一人目を授かれたのだから二人目も授かれるはず、という前提は、医学的には成り立ちません。だから、授からないことをご自身の努力不足のように受け止める必要はありません。
このテーマがつらいのは、体のことだけではないからです。二人目はまだなのかと聞かれる。一人っ子はかわいそうだと言われる。悪気のない言葉ほど、返す言葉が見つかりません。不妊の悩みを話す場に行っても、一人いるのに贅沢な悩みだと思われそうで打ち明けられない。相談に来られる方から、こうしたお話をよく伺います。
そのうえで、体の側で起きていることを見ていきます。原因が分かる部分と、まだ分からない部分があります。分かる部分には、手を打てるものがあります。
二人目不妊、つまり続発性不妊とは何か
一人目を出産したあと、二人目を望んで避妊せずに1年ほど経っても妊娠しない状態を、二人目不妊と呼びます。医学用語では続発性不妊です。日本産婦人科医会は、一度も妊娠したことがない場合を原発性不妊、妊娠や分娩の経験があるのにその後妊娠しない状態を続発性不妊と分類しています。
不妊症そのものの定義については、日本産科婦人科学会が、妊娠を望む健康な男女が避妊をしないで性交していたにもかかわらず1年間妊娠しない場合としています。ただし排卵がなかったり、子宮内膜症を合併していたり、過去に骨盤腹膜炎にかかったことがある場合は、1年を待たずに検査や治療を始めたほうがよいとされています。
珍しいことではありません。国立社会保障・人口問題研究所の第16回出生動向基本調査によると、不妊を心配したことがある夫婦は39.2パーセントで3組に1組を超え、実際に検査や治療を受けたことがある夫婦は22.7パーセント、4.4組に1組にのぼります。これは子どもの有無を問わない夫婦全体の割合で、第2子だけを取り出した数字ではありません。それでも、妊娠を経験した夫婦が同じ悩みを抱えることは珍しくない、ということは読み取れます。
授乳中の期間は、1年の数え方から外して考えます
期間の数え方を整理しておきます。ここは医学的な定義の話ではなく、相談の現場で私が実際に使っている見方です。
授乳中は、母乳をつくるホルモンであるプロラクチンの働きで排卵が抑えられます。月経が戻らない、あるいは戻っても不規則になるのはそのためです。次の子の妊娠より、いま目の前の子を育てることを体が優先している、と考えると分かりやすいかもしれません。
つまり授乳中は、妊娠しにくい状態が体の側の事情としてつくられています。この期間を、避妊せずに1年という数え方にそのまま含めると、実態より長く授からなかったように見えてしまいます。断乳や卒乳を経て月経が戻ってからを妊活の期間として数えるほうが、体の状態には合っています。
ただし、これは受診を先延ばしにしてよいという意味ではありません。年齢は授乳中も進みます。後半でお伝えする受診の目安に当てはまる方は、授乳中であっても相談してください。
そしてもう一つ。授乳中でも排卵が起きていれば妊娠します。月経が戻る前に排卵が起こることもあります。授乳中は妊娠しない、ということではありません。
一人目のときと、体はどう変わっているか
一人目の出産から二人目の妊活までに、体には複数の変化が重なっています。年齢だけの問題ではありません。
年齢による変化
日本産婦人科医会によると、年齢別の不妊の頻度は20代前半で5パーセント以下、20代後半でおよそ9パーセント、30代前半で15パーセント、30代後半で30パーセント、40歳以上では60パーセント以上とされています。数字の並びを見ると、30代前半から後半にかけて倍になっています。
一人目を32歳で出産し、上の子が3歳になってから二人目を考え始めたとします。この時点で35歳を越えていて、統計上は不妊の頻度が倍になる区間に入っています。本人の感覚としては数年しか経っていないのに、体のほうは区間をまたいでいる。ここが二人目不妊で見落とされやすいところです。
年齢とともに変わるのは卵子の数と質です。卵子のもとになる細胞は生まれる前に最も多く、その後は減っていくだけで、新しくつくられることはありません。卵巣にどれくらい残っているかの目安になるのがAMHという検査値です。
一方で、卵子は排卵までにおよそ半年かけて育ちます。この育つ過程は、年齢と違って生活の側から関われる部分です。
出産と授乳で使われた鉄
妊娠中、鉄は赤ちゃんに優先的に送られます。出産では出血します。そのあと母乳をつくり続けます。この流れで鉄が使われることは、生理学的にはっきりしています。
問題は、それが検査で見えにくいことです。血液検査のヘモグロビンが基準内でも、貯蔵鉄であるフェリチンが低いことがあります。ヘモグロビンが財布の中の現金だとすると、フェリチンは貯金にあたります。現金がまだあるうちは日常が回るので、貯金が尽きかけていても気づきません。疲れが抜けない、寝ても回復しない、髪が抜ける、といった形で出てくることがあります。

フェリチンは、健康診断や不妊検査で必ず測る項目ではありません。医療機関によって扱いが異なり、基準値の下限にも幅があります。測っていなければ低いかどうかは分かりませんので、鉄の補い方を考える前に、まず測ってもらうところからになります。
睡眠不足と疲労の蓄積
夜間に何度も起こされる生活が、上の子の年齢によっては1年以上続きます。まとまって眠れない状態が続くと、朝の基礎体温は安定しません。測る時間もばらつくので、記録そのものが読みにくくなります。
疲労は数値に出にくく、本人も慣れてしまいます。一人目の妊活のときと同じ体力があるつもりで進めて、うまくいかない理由が分からない、という形になりやすいところです。
骨盤内の血流と冷え
出産後、骨盤まわりの状態は一人目の妊娠前と同じには戻っていません。抱っこや授乳の姿勢が続くと、肩や腰がこわばり、下半身の血流が落ちることもあります。手足の冷えを産後から感じるようになった、という方は少なくありません。
帝王切開や子宮の手術のあと
一人目が帝王切開だった場合、子宮の傷あとが完全にふさがらず、へこみとして残ることがあります。ここに粘液や月経血がたまると、着床の妨げになることがあります。帝王切開瘢痕症候群と呼ばれる状態です。また、流産や中絶の処置のあとに子宮の内側どうしがくっつく子宮内腔癒着が起こることもあります。
どちらも自分では分かりません。婦人科の超音波検査や子宮鏡で確認する領域です。心当たりがあれば、受診の際に一人目の分娩方法を伝えてください。
夫婦の生活リズムの変化
上の子が同じ部屋で寝ている。どちらかが寝かしつけのまま朝まで寝てしまう。仕事と育児で生活時間がずれる。こうした事情で、排卵期に合わせることが一人目のときより難しくなります。
これは意思の問題ではなく、生活の構造の問題です。どちらかを責める話にせず、上の子の就寝場所や休日の過ごし方を含めて、ふたりで現実的な線を決めていくところから始まります。
基礎体温を、一人目のときと見比べる
二人目不妊で見ておきたいのは、いまの基礎体温が教科書どおりかどうかより、一人目のときと比べてどう変わったかです。これは、一人目を授かった経験がある方だけができる比較です。
見るところは3つあります。低温期の長さ、体温が上がるときの上がり方、高温期の安定です。一人目のときは10日ほどで上がっていたのに、いまは14日かかる。以前はすっと上がっていたのに、いまは数日かけてだらだら上がる。高温期に途中で下がる日が増えた。こうした変化は、基準値との比較では見つかりません。
母子健康手帳や、当時つけていた記録が残っていれば探してみてください。アプリを使っていたなら、過去のデータが残っていることもあります。

基礎体温の見え方は、測る時間帯や体温計の種類でも変わります。育児中はそもそも同じ時間に測れません。1日ごとの数値ではなく、2周期か3周期分の全体の形を見てください。
病院で確認しておきたい検査
一人目のときに異常なしと言われていても、いまは違う可能性があります。あのときの結果は、あのときの体のものです。
| 検査項目 | 何が分かるか | 補足 |
|---|---|---|
| フェリチン | 貯蔵鉄の量 | 必ず測る項目ではないため、希望を伝える必要があります |
| 甲状腺機能 | TSHなどのホルモン値 | 妊娠のしやすさと流産のしやすさの両方に関わります |
| AMH | 卵巣に残っている卵子のおおよその数 | 卵子の質を示す数値ではありません |
| プロラクチン | 授乳に関わるホルモン値 | 授乳を終えても高いままだと排卵が乱れることがあります |
| 精液検査 | 精子の数、運動率、形 | 二人目のときは男性側の年齢も上がっています |
検査値の基準は、年齢や測定条件、医療機関、治療の状況によって変わります。数値だけを取り出して自己判断せず、結果は主治医の説明とあわせて受け取ってください。検査で異常が見つからない場合もあります。
西岡の考え|二人目不妊は消耗から考える
ここからは、私が相談の現場で持っている見方です。医学的に確立された説明ではなく、薬剤師として相談を重ねるなかでの考えとして読んでください。
前の章では、鉄が使われるという生理学の話をしました。私はここをもう少し広く捉えて、二人目不妊を消耗から考えます。一人目の妊娠と出産、そして日々の育児で、母体の栄養貯金は想像以上に減っています。鉄だけでなく、タンパク質も各種のミネラルもです。これらが減ったままの体で、もう一度妊娠を成立させて10か月支えるのは、体にとって負担の大きい話だと考えています。
消耗が戻る時期には個人差が大きく、数か月で戻る方もいれば、1年以上かかる方もいます。ここに何か月という一律の目安を置くことはできません。月経の状態、朝の目覚め、疲れの抜け方といった、ご自身で分かる変化を目安にしていただいています。
この見方の利点は、手をつける場所がはっきりすることです。年齢は戻せません。減ったものを補うことは、今日の食事から始められます。
相談の現場で、よく見られること
当店の相談では、次のような方をよくお見かけします。
上の子の食事を作り、食べさせ、片づけたあとで、自分は立ったままパンをかじって終わり。子どもの分は栄養を考えているのに、自分の分は残り物と炭水化物だけ。通院しようにも預け先がなく、平日の午前中に時間が取れない。そうして相談自体を先送りにしている。
問診で私が重視しているのは、検査値そのものより、朝食を食べているか、タンパク質を毎日とれているか、何時に寝ているか、というところです。ここが崩れたままだと、何を足しても土台が抜けたままになります。
中医学から見た二人目不妊
ここからは伝統的な中医学の考え方です。西洋医学で証明された仕組みとは別のものとして読んでください。
中医学では、妊娠と出産に深く関わるものとして腎を考えます。腎は生命力の蓄えを預かる臓とされ、そこに蓄えられたものを腎精と呼びます。妊娠、出産、授乳は、この腎精を大きく使う出来事だと捉えられてきました。二人目不妊を腎精の消耗という視点から見るのは、そのためです。
あわせて見るのが気血です。気は体を動かす力、血は体を養う材料にあたります。出産の出血と授乳、そして睡眠不足が重なると、気血がともに不足した状態になりやすいとされます。さらに、血の巡りが滞った状態を瘀血と呼び、冷えや骨盤内の血流低下と結びつけて考えます。
体質のおおまかな分類
| 体質タイプ | よく見られるサイン | 確認するところ | 生活上の注意 | 漢方相談で確認すること |
|---|---|---|---|---|
| 腎精不足 | 疲れやすい、腰がだるい、白髪や抜け毛が増えた | 夜間の尿の回数、耳鳴りの有無、下半身の冷え | 夜更かしを減らす。強度の高い運動を続けない | 出産からの経過年数、月経周期の変化 |
| 気血両虚 | 顔色が優れない、立ちくらみ、少し動くと息切れ | 舌の色の薄さ、爪のもろさ、経血量の減少 | 朝食を抜かない。毎食にタンパク質を入れる | フェリチン値、食事の実際の中身 |
| 瘀血 | 月経痛が重い、経血に塊が混じる | 舌の裏の静脈の太さ、下腹部の冷え、肩こり | 体を冷やさない。同じ姿勢を続けない | 月経痛の変化、子宮内膜症を指摘されたことがあるか |
| 肝気鬱結 | いらいらする、寝つけない、月経前に胸が張る | ため息の多さ、脇腹の張り、便通の乱れ | 一人になる時間を確保する | ストレスのかかり方、基礎体温の乱れ方 |
複数のタイプが重なることが普通です。この表は目安であって、これを見て漢方薬を自分で決めるためのものではありません。
授乳中の方が、いま始められること
授乳が終わるまで何もできない、ということはありません。
まず、月経が再開しているかどうかを確認してください。再開していれば、排卵の有無を含めて状態を見ていけます。再開していない場合は、断乳や卒乳に向けて授乳の回数を少しずつ減らしていく方法があります。急にやめるのは体にも子どもにも負担なので、段階的に減らします。
そして、この期間にいちばんやっておいてほしいのがタンパク質です。子どもの世話、家事、洗濯、掃除と続くなかで、自分の体はいちばん後回しになります。ここで食事が細くなると、断乳して月経が戻ったときに、蓄えが減ったままの状態から妊活を始めることになります。待つ期間を、蓄えを戻す期間に変えてください。
授乳中の漢方薬については、多くのものが服用できます。ただし一部の生薬には、母乳を介して赤ちゃんの胃腸に影響して下痢を起こすものや、母乳の分泌を抑えるものがあります。大黄を含む処方や麦芽を含む処方がこれにあたります。市販薬を含め、授乳中に自己判断で飲み始めないでください。医師か薬剤師に相談してください。
育児をしながら続けられる食養生
凝った料理を毎日作る話ではありません。上の子の世話をしながら続けられる形にします。
まずタンパク質を切らさない
補うものに優先順位をつけるなら、タンパク質が最初です。血液も、ホルモンも、子宮内膜も、材料はタンパク質です。
動物性は、鶏肉、豚肉、牛肉、魚介類、卵、牛乳や乳製品。植物性は、豆腐、油揚げ、納豆、枝豆、煮豆、豆乳、きな粉。どちらかに寄せず、両方から取ってください。
買っておくだけで食べられるものを常備する
調理の手間が要らないものを切らさないようにします。卵、納豆、豆腐、鯖缶、ツナ缶、あさりの水煮の缶詰、冷凍枝豆、しらす干し、しいたけ、そして味噌汁。このあたりを買い置きしておけば、鍋を出さない日でもタンパク質にたどり着けます。
鯖缶とあさりの水煮は、鉄をとる目的でも使えます。冷凍枝豆は上の子のおやつにそのまま出せますし、しらす干しはご飯にのせるだけです。上の子の食事と兼ねられるものを選ぶと、作る回数そのものが減ります。

1日の組み立ての例を挙げます。
| 食事 | 内容 |
|---|---|
| 朝 | ご飯、豆腐とわかめの味噌汁、卵、しらす |
| 昼 | 前夜の残りに納豆を足す。時間がなければおにぎりとゆで卵 |
| 夜 | 鯖缶を使った主菜、冷凍枝豆、味噌汁、ご飯 |
油を選び直す
油は、量より種類を見てください。私が妊活中の方にお勧めしているのは、オメガ3系の脂肪酸を意識して取ることです。亜麻仁油、えごま油、しそ油に含まれるα-リノレン酸と、青魚に含まれるDHAやEPAがこれにあたります。亜麻仁油とえごま油は加熱に弱いので、納豆や味噌汁にかける形で使ってください。
逆に、マーガリンやショートニングに含まれるトランス脂肪酸は控えたい油だと考えています。菓子パンや市販の焼き菓子に多く使われています。育児中は手軽な菓子パンに頼りがちなので、ここを青魚や豆製品に振り替えるだけでも中身が変わります。
削らないこと、無理にやらなくていいこと
削らないでほしいのは朝食です。忙しくても朝は必ず食べてください。ここが抜けると、一日のうちにタンパク質をとる機会が二回に減ります。
無理にやらなくていいのは、毎日凝った料理を作ることです。しんどい日は惣菜を買ってかまいません。焼き魚も、ゆで卵も、豆腐も、買ってきたもので足ります。
ご自身の食事を、家族の食事のあとに残ったおまけとして扱わないでください。明日の元気と、二人目のための燃料です。
なお、サプリメントで鉄を補う場合は量と期間を確認してください。鉄は多く飲めば早く戻るものではなく、吐き気や便秘といった胃腸の負担が出ることもあります。治療中の薬がある方は、飲み合わせを薬剤師に確認してください。
検討されることのある漢方薬
同じ二人目不妊でも、選ぶ漢方薬は人によって変わります。二人目不妊にはこれ、という決まった処方はありません。
当帰芍薬散は、冷えがあり、顔色が優れず、むくみやすい方に検討されます。十全大補湯は、出産後の消耗が長引き、疲れが抜けず、食も細い方に検討されます。加味逍遙散は、気持ちの張りつめが強く、寝つきが悪く、月経前に不調が出る方に検討されます。桂枝茯苓丸は、月経痛が重く、経血に塊があり、下腹部の冷えがある方に検討されます。
同じ疲れやすいという訴えでも、胃腸の状態、冷えの有無、月経の様子によって選ぶものは変わります。合わないものを続けると、胃腸の不調が出ることもあります。
妊娠中、授乳中の方、持病のある方、治療薬を飲んでいる方は、必ず医師か薬剤師に相談してください。病院の治療を自己判断で中断したり、処方薬をやめたりしないでください。漢方薬は病院の治療と並行して考えるものです。
受診・相談の前に確認しておきたいこと
手元にまとめておきたいもの
- 一人目の妊娠から出産までの経過。分娩方法、出血量、入院期間
- 一人目のときの基礎体温表、または当時の記録
- 現在の基礎体温、2周期から3周期分
- 直近の血液検査の結果。フェリチンと甲状腺の項目が入っているか
- 月経の周期日数、出血の日数、経血量と塊の有無、月経痛の程度
- 授乳の状況。回数、夜間授乳の有無、月経の再開時期
- 睡眠時間と、夜中に起きる回数
- ふだんの食事の実際の中身。理想ではなく、昨日食べたもの
- 服用中の薬とサプリメント
こんなときは早めに医療機関へ
次に当てはまる方は、1年を待たずに婦人科を受診してください。授乳中であっても同じです。
- 35歳以上で、避妊をやめて6か月経っても妊娠しない
- 40歳以上で、二人目を考え始めた
- 断乳して3か月以上経つのに月経が戻らない
- 月経周期が乱れている、基礎体温が二相に分かれない
- 月経痛が一人目の前より重くなった
- 経血量が明らかに増え、めまいや息切れを伴う
- 一人目が帝王切開だった、または流産や中絶の処置を受けたことがある
- 一人目を不妊治療で授かった
よくある誤解と、実際の考え方
| よくある誤解 | 実際の考え方 |
|---|---|
| 一人目が自然妊娠なら二人目も自然にできる | 一人目のときと年齢も体の状態も違います。一人目が自然妊娠でも続発性不妊は起こります |
| 一人いるのだから贅沢な悩みだ | 悩みの大きさは子どもの人数では決まりません。相談先を選ぶ理由にはなりますが、我慢する理由にはなりません |
| 授乳中は何もできない | 断乳を待つ間にも、食事と睡眠を立て直すことはできます。この期間を蓄えを戻す時間として使えます |
| 疲れているのは育児のせいだから仕方ない | 育児が原因であることと、手を打てないことは別です。フェリチンのように、測って初めて分かるものがあります |
| 二人目不妊にはこの漢方薬が効く | 体質によって選ぶものが変わります。同じ処方が誰にでも合うことはありません |
よくある質問
一人目が自然妊娠でも、二人目不妊になりますか
なります。妊娠や分娩の経験があってもその後妊娠しない状態を続発性不妊と呼び、一人目が自然妊娠だった方も含まれます。一人目のときの結果は、いまの体の状態を保証するものではありません。
授乳中でも妊活を始められますか
始められます。ただし授乳中はプロラクチンの働きで排卵が抑えられ、妊娠しにくい状態です。月経が再開しているかどうかで進め方が変わります。再開していなければ、授乳回数を少しずつ減らしていく方法があります。この期間は、食事と睡眠を立て直す時期として使えます。
二人目不妊の相談はいつから始めるべきですか
35歳未満なら避妊をやめて1年、35歳以上なら6か月が一つの目安です。40歳以上の方や、一人目を不妊治療で授かった方は、考え始めた時点で相談してください。授乳中の期間は、この1年や6か月の数え方には含めずに考えます。
上の子を連れて相談に行けますか
当店では、お子さま連れでのご相談を承っています。医療機関の場合は事前の確認をおすすめします。不妊治療のクリニックには、一人目を待っている方も通われているためです。来店が難しい場合は、電話やオンラインでのご相談もできます。
一人目のときと同じ方法では駄目なのですか
同じ方法でうまくいく方もいます。ただ、年齢が上がり、鉄などの蓄えが減り、睡眠が削られた状態は、一人目のときとは違う前提です。一人目のときの記録といまを見比べて、変わったところから手をつけるほうが早いことが多いです。
病院に行くほどではない気がするのですが
検査を受けることと、治療を始めることは別です。フェリチンや甲状腺のように、測らなければ分からない項目があります。異常がなければ、それが分かること自体に意味があります。
帝王切開だったことは関係ありますか
関係することがあります。帝王切開のあとに子宮の傷あとがへこみとして残り、そこに血液がたまって着床の妨げになることがあります。自覚症状が出ないこともあるため、婦人科で確認してください。受診の際は、一人目が帝王切開だったことを伝えてください。
まとめ|今日からできること
要点は3つです。
続発性不妊は妊娠を経験した体にも起こり、努力の問題ではありません。原因は年齢だけでなく、出産と授乳で使われた鉄、睡眠不足、骨盤内の血流の変化が重なっています。そして、減ったものを補う作業は、今日の食事から始められます。
今日からできるのは、朝食を抜かないこと、毎食にタンパク質を一品入れること、一人目のときの基礎体温の記録を探してみることです。
医療機関で確認したいのは、フェリチン、甲状腺機能、AMH、プロラクチン、そしてパートナーの精液検査です。一人目のときに異常がなくても、いまの数値は別のものです。
検査の結果だけでなく、睡眠や胃腸、冷え、月経、育児の状況も含めて整理したい方は、二人目不妊の漢方相談も選択肢の一つです。はじめての方の相談の進め方もご覧いただけます。
著者:西岡 敬三
漢方の葵堂薬局 代表/薬剤師
西洋医学的な検査データも踏まえて相談を行う漢方専門薬剤師。中医学、漢方、食養生に加え、食べたもので身体ができているをモットーに栄養学の視点も取り入れている。NLPマスタープラクティショナー認定。
漢方・中医学・食養生の視点から、一人ひとりの体質や生活背景に合わせた養生と漢方相談を行っている。
著書
『心もカラダもラクになる血流の整え方』
『病院では教えてくれない西岡式妊活で妊娠まっしぐら』
公開日 2026年8月13日
参考文献
- 公益社団法人 日本産科婦人科学会「不妊症」https://www.jsog.or.jp/citizen/5718/ 2026年8月13日確認
- 公益社団法人 日本産婦人科医会「2.不妊症の定義・分類・治療法」http://www.jaog.or.jp/lecture/2-%E4%B8%8D%E5%A6%8A%E7%97%87%E3%81%AE%E5%AE%9A%E7%BE%A9%E3%83%BB%E5%88%86%E9%A1%9E%E3%83%BB%E6%B2%BB%E7%99%82%E6%B3%95/ 2026年8月13日確認
- 国立社会保障・人口問題研究所「第16回出生動向基本調査 結果の概要」https://www.ipss.go.jp/ps-doukou/j/doukou16/doukou16_gaiyo.asp 2026年8月13日確認


