「結婚して、避妊をせず普通の夫婦生活をしているにも関わらず、2年以上赤ちゃんができない場合」を一般に不妊症と言われています。
心身ともに健康な男女が夫婦生活を営めば妊娠するのが当たり前なのですが、そうならない場合は原因を見つける必要が出てきます。そのために基礎体温表を有効に活用しようというのが目的です。
基礎体温表をもとにして「あなたの体質や不妊症のタイプ」を知ることができます。
- あなたが妊娠しやすい体質かどうかを知ることができます。
- 妊娠しやすい体質の人は、さらにどのようなことを心がければ良いかが分かります。
- 妊娠しにくい体質の人は、その原因を知ることにより、どのように改善すれば良いかが分かります。
それぞれの詳しい説明をぜひご覧ください。
標準的なタイプ
標準的な基礎体温表の特徴は次のとおりです。
(1)高温期が安定して2週間前後続く
(2)高温期と低温期の差が0.3~0.5℃位ある
(3)低温期から高温期へ1~2日で移行する
これが標準的な基礎体温表のもつ3つの条件です。

標準的なタイプの人でも妊娠しない場合は、基本的な周期改善を行います。
イライラタイプ
赤ちゃんが生まれないことがストレスになっているタイプは、基礎体温表のグラフの波動が大きくなります。これはストレスによる肝の疎泄作用の失調によるもので、ストレスで「イライラ」すると誰でもこのようになります。このタイプは自律神経が不安定で神経過敏になっている方が多いです。西洋医学では高プロラクチン血症、月経前緊張症、自律神経失調症で多く見られます。

漢方で言うところの「肝の気の流れを良くして」神経の高ぶりを鎮め、落ち着かせることが大切です。
低温期が長く、高温期が短いタイプ
不妊症に比較的多いタイプです。卵子の成熟度が低く、それが排卵の遅れとなって現れます。結果として黄体ホルモンの分泌が悪くなります。西洋医学的には黄体機能不全、軽い排卵障害と病名がつくことが多いです。

このタイプは低温期の陰血が不足しており、排卵期にスムーズに移行できません。高温期には陽が不足して短くなります。低温期にしっかりと陰血を補い、少量の補陽を加えます。
高温期への移行が緩やかなタイプ
これも不妊症でよく見られるタイプです。西洋医学では黄体機能不全、排卵障害、高プロラクチン血症などの病名が考えられます。

(1)排卵期に陽気が不足して体温が上がらない
(2)血液が滞って体温の上昇を妨げている
などの理由が考えられます。
高温期が不安定なタイプ
高温期の途中で体温が下がったり、生理が近づくと体温が下がるタイプです。西洋医学では黄体機能不全が考えられます。

高温期が長すぎるタイプ
高温期が14日以上続いてしまう、あるいは高温期と低温期の差が0.5℃以上あるタイプです。不妊症では比較的少ないタイプです。西洋医学的には黄体萎縮不全、月経前緊張症などが考えられます。

低温期が短いまたは長すぎるタイプ
低温期が短く排卵が早い、または低温期の体温が高すぎるタイプです。ホルモン分泌異常が考えられます。

陰の不足で相対的に陽気が過剰な状態になっています。陰の不足は、排卵期のオリモノの分泌不足に現れることが多いです。低温期にしっかりと滋陰をすることが重要です。
無排卵型(一層型)
排卵がなく、高温期もないタイプです。無排卵のため高温期がありません。まず排卵を起こすための漢方治療を行います。
しかし実際には「いろいろなタイプが細かく組み合わさっている」場合がほとんどです。たとえばイライラ型と他のタイプが混在していたり、さらに3つのタイプが見受けられたりとさまざまです。基礎体温表・症状・体質をしっかりと把握して、お一人おひとりに合わせた漢方処方を選ぶことが大切です。


