胚盤胞まで育たないと言われたとき
受精はしたけれど、その先に進まない
「受精はしました。でも胚盤胞まで育ちませんでした」——この報告を受けたとき、あと一歩だったのにという思いと、何が足りなかったのかという問いが同時に来ます。このページでは、受精後の育ちについて漢方相談でどう考えているかをお伝えします。
受精と、その後の成長は別の力です
受精は、卵子と精子が出会って一つになる出来事です。その後、細胞が分割を繰り返し、5〜6日かけて胚盤胞という状態まで育っていきます。この過程は、卵子がもともと持っていた力に大きく依存すると考えられています。
つまり「胚盤胞まで育たない」という結果は、採卵後に起きたことではなく、その卵子が育ってきた数か月間の反映という側面があります。だから手当ての視点も、次の採卵に向けた身体づくりに向きます。
卵子が育つための条件を考える
中医学では、生殖の力を「腎」の働きとして捉えます。そこに現代の栄養の視点を重ねると、卵子が育つために必要なものが具体的に見えてきます。
- 血の巡り — 卵巣に酸素と栄養が届く経路。冷えや滞りは巡りを妨げます
- 血の材料 — 鉄、タンパク質。不足していると、そもそも材料が足りません
- 細胞がエネルギーをつくる力 — ここに関わる栄養素の状態も確認します
- 酸化のストレス — 睡眠不足や過度な負荷は、身体に負担として蓄積します
男性側の要素も一緒に考えます
胚の育ちには精子側の要素も関わると考えられています。受精はできていても、その先の分割に影響する場合があります。
精子は約3か月でつくり替えられるとされているため、ご主人の側でも整えられる期間があります。ご夫婦でのご相談も承っていますので、可能であれば一緒にお越しください。
培養環境と身体の側を切り分ける
胚の育ちには、培養液や培養環境といった医療機関側の要素も関わります。この部分は私どもが関与できる範囲ではありません。
気になる場合は、培養の条件について通院先にお尋ねになるのが確実です。身体の側でできることと、医療機関に確認することを切り分けておくと、迷いが減ります。
「あと一歩だったのに」という思いは、次の周期への焦りになりやすいものです。焦って詰め込むと続きません。3か月を一区切りとして、無理のない範囲で組みます。
お読みいただくうえでのお願い
このページは、漢方相談でどのように身体を見ているかをお伝えするものです。病院での検査・治療に代わるものではなく、治療の中断をおすすめするものでもありません。また、妊娠を保証するものではありません。服用中のお薬がある場合は、必ずご相談時にお知らせください。