TSH・甲状腺と妊活
基準値内でも、妊活では目標が違うことがあります
甲状腺は、全身の代謝を調整する働きを持っています。妊活の場面では、一般的な基準値とは別に目標とする数値の考え方があり、通院先で「妊活中はもう少し下げましょう」と言われることがあります。このページでは、その背景と身体づくりの視点をお伝えします。
なぜ妊活では目標が違うのか
甲状腺の働きは、月経周期や妊娠の初期に関わることが知られています。そのため不妊治療の場面では、一般的な基準の上限より低い数値を目標にする方針が採られることがあります。
ただし、どの数値を目標にするかは通院先の方針によって差があります。当店で目標値を指定することはありません。指示された数値があれば、それを前提にご相談します。
「基準値内なのに下げるように言われた」と戸惑われる方がいらっしゃいますが、これは妊活という目的に合わせた判断です。
冷え・だるさとの関係
甲状腺の働きが落ちているとき、次のような自覚症状が出ることがあります。ご相談では症状の方からもお聞きします。
- 手足や下腹部の冷え
- 朝起きられない、日中のだるさ
- 体重が落ちにくい
- 肌の乾燥、髪が抜けやすい
- 便通が滞りやすい
中医学では「陽気」の不足として見ます
西岡の考え
ここから先は中医学の理論にもとづく身体の捉え方であり、上でご説明した甲状腺の医学的な説明とは別の視点です。漢方が検査や治療に置き換わるものではありません。婦人科・内分泌内科での検査と治療を前提に、体質という角度から何ができるかをお伝えするものとしてお読みください。
中医学には、身体を温め、動かす力を「陽気」と呼ぶ考え方があります。この力が足りない状態は、冷え、だるさ、代謝の落ち込みとして現れます。甲状腺の働きが落ちているときの訴えと重なる部分が多くあります。
漢方でお手伝いするのは、この温める力を支える部分です。甲状腺そのものを治療するという発想ではありません。お薬が処方されている場合は、その治療を軸にお考えください。
栄養面で確認していること
甲状腺ホルモンがつくられる過程には、いくつかの栄養素が関わることが知られています。ご相談では食事の内容も伺います。
- タンパク質が足りているか
- 鉄の状態(フェリチンを含めて確認します)
- ヨウ素の摂り方。不足も過剰も望ましくないとされています
- 極端な食事制限をしていないか
お読みいただくうえでのお願い
検査値の判断や診断は医師が行うものです。このページは漢方相談での見方をお伝えするもので、病院の説明を否定するものではありません。目標とする数値や治療方針については、通院先の指示を優先してください。服用中のお薬がある場合は、ご相談時にお知らせください。
よくいただくご質問
Qチラーヂンを飲んでいますが、漢方と併用できますか?
QTSHがいくつなら大丈夫なのでしょうか?
Q冷えるのは甲状腺のせいでしょうか?
あわせて読みたいページ
参考資料
- 日本甲状腺学会
一般の皆さまのページ - 日本甲状腺学会
甲状腺疾患診断ガイドライン 2024 - 日本内分泌学会
内分泌の病気|甲状腺(一般の皆様へ)
最終確認:2026年9月/監修:薬剤師 西岡敬三