不妊治療と漢方は併用できますか
病院の治療を大切にしながら、身体の土台を整えるという考え方
ご相談で最も多くいただく質問です。結論から申し上げると、併用されている方が多くいらっしゃいます。ただし「何を飲んでも大丈夫」という意味ではありません。このページでは、葵堂薬局が併用をどう考え、何を確認しているかをお伝えします。
受精卵を「つくること」と「育てること」は別です
不妊治療の技術は、卵子と精子を出会わせ、受精卵をつくるところまでを担ってくれます。タイミングを合わせる、精子を注入する、体外で受精させる——いずれも確実性を高めるための優れた方法です。
一方で、その受精卵が子宮に根を張り、育っていくかどうかは、身体の側の条件によります。ここは技術で置き換えられる部分ではなく、日々の食事・睡眠・血の巡りの積み重ねでつくられていきます。
漢方でお手伝いできるのは、この後半の部分です。だから「どちらを選ぶか」ではなく、「両方あって前に進む」とお考えいただくのが自然だと思います。
種をまく力は病院の治療が担ってくれます。私たちがお手伝いできるのは、その種が根を張れる土をつくることです。
併用する前に、必ず確認させていただくこと
漢方は自然のものだから安全、という考え方はしません。生薬にも作用があり、飲み合わせや時期によって向き不向きがあります。ご相談時に次の点をお聞かせください。
- 現在服用中・使用中のお薬をすべて(ホルモン剤、排卵誘発剤、甲状腺のお薬、その他持病のお薬を含みます)
- 通院先で漢方の服用について指示や制限がある場合は、その内容
- 採卵・移植の予定日が決まっている場合は、そのスケジュール
- これまでに漢方を飲んで体調が変わった経験があれば、その内容
判断に迷うときは、主治医の指示を優先します
治療の内容によっては、私どもの判断だけでは併用の可否を決められない場合があります。そのときは、通院先の主治医にご確認いただくようお願いします。曖昧なまま進めることはしません。
また、通院先で「漢方はやめてください」と指示が出ている場合は、その指示に従っていただきます。当店の提案を優先することはありません。
「漢方を飲めば妊娠できますか」というご質問について
この質問には、はっきり申し上げます。そのようにはお伝えできません。
漢方は、身体の状態を整えることに関わるものです。妊娠という結果をお約束できるものではなく、期間についても個人差があります。もし「これを飲めば妊娠します」と言う相談先があれば、慎重に判断されることをおすすめします。
私どもがお伝えできるのは、いまの身体の状態をどう見ているか、そして何から整えると良いと考えるか、という部分までです。
妊娠が分かったあとの扱い
妊娠が確認できた時点でご連絡ください。服用内容を見直すか、いったんお休みいただくかをご相談します。妊娠中の生薬の扱いは慎重に判断すべき部分であり、産科の先生の指示を優先します。
「妊娠したら終わり」ではなく、その後の体調のご相談も承っています。
お読みいただくうえでのお願い
このページは、漢方相談でどのように身体を見ているかをお伝えするものです。病院での検査・治療に代わるものではなく、治療の中断をおすすめするものでもありません。また、妊娠を保証するものではありません。服用中のお薬がある場合は、必ずご相談時にお知らせください。