血液検査でフェリチンの値を確認しましょう

血液検査でフェリチンの値を確認しましょう

基礎体温とあわせて確認していただきたいのが、フェリチンの値です。一般的な血液検査ではフェリチンは検査項目に入っていませんが、希望することで追加してもらえます。

栄養成分は、必要性という観点から大きく、2種類に分けることができます。

一つは、「全ての人に必要な」基本的な栄養素。3大栄養素と呼ばれる、糖質、たんぱく質、脂質、そして、2大栄養素と呼ばれる、ビタミンやミネラルなどの微量栄養素です。もう一つは、「一部の人には有効な」特殊な機能性を持つ成分です。よく、巷で話題になったり、一時的に流行したりする、さまざまな成分です。

 

5大栄養素は、どれ一つとしてなければ人間が生きていくことができない約50種類の栄養素です。当然、生殖機能を支える基礎となる栄養素であり、過不足が生じると、代謝障害となり、卵や受精卵の健全な成育が妨げられてしまうリスクが高まります。

 

一方、さまざまな機能性食品は、たとえ、なくても生命活動や生殖機能には何の支障も生じません。
まずは、基本的な栄養素のバランスを整えることを優先すべきですよね。

ほとんどの不妊患者さんは潜在的に鉄が不足しています。

よい卵を育むのに絶対に必要であるのにもかかわらず、現代に特有な食生活や生活習慣では不足しがちな栄養素の一つが「鉄」です。

 

通常、貧血の診断基準は赤血球中のヘモグロビンが使われますが、体内の鉄は赤血球だけでなく、組織鉄や貯蔵鉄としても存在します。ヘモグロビンが正常範囲であっても、貯蔵鉄が少ないということは組織中には鉄が十分な量ではないということになります。貯えに手を出さざるを得ないくらい少なくなっているということです。

 

貯蔵鉄であるフェリチンは、理想的には100~150ng/mlですが、最低でも50ng/mlは必要です。元気な赤ちゃんを産むための、フェリチン値の理想は100です。

 

アメリカでは、フェリチン不足(潜在的な鉄欠乏性貧血)では着床不全や早産、流産のリスクを高めると考えられており、「フェリチン値が40以下では妊娠してはいけない」と言われています。血液検査では、「正常範囲内に入っているかどうか」はもちろん重要ですが、漢方医は、血液のバランスでからだの栄養状態を見ます。

 

基礎体温表とフェリチンを含む血液検査結果があれば、多くのことが分かりますので、ご相談ください。

漢方から考える不妊とは?

「黄体ホルモンが足りなければ足したらいい」「排卵誘発剤で卵を出したらいい」というのが、西洋医学の考え方です。

東洋医学では「なぜそうなるのか、原因がある」と考え、原因にアプローチをします。これは、西洋医学、東洋医学の優劣の話ではなく、違う目線で見ると違ったことが見えてくるものです。

20代と40代ではタイムリミットまでの時間が異なりますので、考えることも違ってきます。40代を超えている場合は、西洋医学のちからも早めに必要でしょう。20代の場合は、妊娠のことを考えてストレスを増やすのではなくもっと楽しむことが大事だと考えています。

漢方で良くなっていく事例もたくさんあります。